小説の問題 一覧

小説の問題vol.4 船戸与一『流沙の塔』

今回は他に取り上げたい本もあったが、ぎりぎりで船戸与一『流沙の塔』が間に合ってしまった。船戸があるときは船戸を読め、の格言通り、となれば『流沙の塔』を取り上げざるをえないだろう。 物語の始まりは横浜だ。客家(中国南部を中心に勢力を持つ漢民族の一派)の実力者・張龍全の義理の息子、海津明彦は在日客家のトラブルシューターを生業としていた。ある日明彦は...

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小説の問題vol.3 ドナルド・E・ウエストレイク『逃げ出した秘宝』

小説の問題vol.3 ドナルド・E・ウエストレイク『逃げ出した秘宝』

最近、金に困った主人公の小説というものを、見なくなったと思う。高村薫の『レディ・ジョーカー』などその典型だ。いったいあの主人公たちはどうやって口に糊しているのだろうか。そう疑問を感じるくらい、彼らの金に対する執着は希薄である。むろんこれは作品のテーマには直接関係ない話なので、こだわられても高村薫は迷惑だろうと思うが、あれだけの大犯罪を描きながら、作品...

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小説の問題vol.2 柴田よしき『月神の浅き夢』

小説の問題vol.2 柴田よしき『月神の浅き夢』

今は亡き「問題小説」連載書評のお蔵出し。今回は1998年4月号からです。 柴田よしきは今年(注:1998年)絶対にブレイクする作家である。新作「月神の浅き夢」は警察ミステリーの傑作として間違いなく彼女の代表作となるだろう。 月島署の刑事村上緑子は連続殺人事件の捜査本部に参加を要請され、警視庁に招かれる。彼女にはスキャンダルのために本庁から...

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小説の問題vol.1 梁石日『血と骨』

小説の問題vol.1 梁石日『血と骨』

杉江松恋、お蔵出しシリーズの第三段は、誌名が変わり「読楽」になったかつての中間小説誌「問題小説」に十年以上連載していた書評を再掲していきたいと思う。確認したら、第一回はなんと1998年だから20年以上も前だった。今読み返すと稚拙で恥ずかしい部分もある文章だが、推敲は最小限に留めてお出しする。ああ、へたくそな書評だなあ。 98年はのっけか...

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