街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年2月・池袋「budo shop」「光芳書店」と浅草木馬亭

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Budo shop前にて。

某月某日

真面目に仕事に打ち込んでいたのだが、胸騒ぎがして浅草木馬亭に駆けつけてしまう。日本浪曲協会定期公演の最終日である。予告で天中軒雲月さんが赤穂浪士外伝の「忠僕直助」をやると予告があったのだ。出遅れたので前読みには間に合わず二席目から。演目は以下の通り。

最強主婦伝説 ひまわりマート戦記 港家小ゆき・沢村美舟

御薬献上 花渡家ちとせ・沢村豊子

浪花節更紗 玉川奈々福・沢村美舟

仲入り

豊竹呂升 鳳舞衣子・伊丹秀敏

魚屋本多 室井琴柳

源太しぐれ 東家三楽・伊丹秀敏

忠僕直助 天中軒雲月・沢村豊子

「浪花節更紗」は正岡容の同題小説を奈々福が浪曲化したもので、若い浪曲師の出世物語なのだがこれもよかった。一席入る講談の「魚屋本多」も。しかし何もかもトリの「忠僕直助」が持って行った観がある。いつになく緊張した面持ちの曲師・沢村豊子さん、舞台に立った雲月さんが「このネタはたいがいのお師匠さんが嫌がるんですが、無理を言ってお願いしました」と言い、客席の期待感は高まる高まる。

この一席の素晴らしさは聴き巧者の人がネットでたくさん書いていて付け加えられることはないのだが、雲月節を浴びながら、まるで唇から発せられる光線によって浄化され、昇天するかのような快感を私は覚えた。そしてその攻撃に太棹一本で立ち向かう無敵の曲師・沢村豊子。いや、いいものを聴いた。一生の宝にします。

終演して客席を見れば、平日昼間にそこにいてはいけない人の姿がちらほら。いや、職場を抜けてきてしまう気持ちはよくわかる。

終わって真っ直ぐ家に帰るつもりが、気が付いたら池袋駅で下りていた。西武百貨店で古書市の最中だが、そこにはあえて行かない。

西口に出て、ロマンス通りを抜け、さらに北上する。ホテル街を抜けた先、道の右側に見えてくるのが武道具専門店、Budo shopだ。古本屋ツアー・イン・ジャパンで教えられ以前から来ようと思っていたお店で、武道や空手に関する本が店の奥に本棚2棹分も並べられている。ドアの貼り紙に、6人以上の入店や中での撮影を禁ずる注意事項が書いてあって少々臆したが、常識的に振る舞えば問題はないだろうと判断して中に入る。いらっしゃい、と迎えてくれた店の人は、なぜか半紙に墨で何事かを書きつけておられる最中であった。床にも半紙が落ちているので、それを踏まないようにして中に入る。

棚は予想以上にストイックなもので、いちばんエンターテインメントよりなのが梶原一騎本、あとはほとんどが空手家か武道家の著書である。大山倍達本が山のようにある。忍術の藤田西湖の本があって気になったのだが、高価そうだし、函入りなのでひやかしで手に取るのもどうかということで思いとどまった。次回、もう少し余裕があるときに挑戦しよう。

習字に熱中する店の人にお礼を言って外に出る。ここから線路際のほうに入っていけば、平和通りにぶつかる。ちょっと気になることがあったので、そちらのほうに足を向けた。

池袋駅からは北口を出てまっすぐ進めば平和通りに入る。そのずっと奥、通りの左側に一軒の古本屋がある。平和堂書店というのがかつての名前だったが、今は看板が代わって光芳書店、下に小さく平和堂書店と書かれている。光芳書店は東口にもう一店舗あったのだが、昨年休業を宣言して店舗営業を停止してしまった。その店の前にあった掲示で、平和堂書店が光芳書店の系列になっていることに気づいたのである。以前からそうだったのか、そうなったのかはよく知らない。

店頭の均一棚を見てから中に入る。この店はいちばん右と次の通路が成人向け、その隣がコミックで、さらに一般書、文庫という具合になっている。最も左側の通路は通信販売用の在庫置き場のようで、ひさしぶりに来たらカーテンがかかっていた。左から二番目の通路も、以前はすべて文庫やCDだったのが、一部通信販売在庫に浸食されているようである。ざっと見た印象だが、東口光芳書店の在庫がこっちに移動してきているのではないだろうか。

入口左の棚にも200円均一の本や落語ビデオなどがある。ここも以前とは品ぞろえが違ってきているような。おそらくは店舗では成人向けとコミックを主体とし、通信販売で硬い本や珍しいものを扱う営業形態に移行しているのではないだろうか。時間経過とともに店内の様子も変わっていきそうだ。よし、また来る。

ご覧のとおり看板が新しくなっている。

これが平和堂書店の旧看板。

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