杉江松恋不善閑居 twitter文学賞のこと

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3月7日の第10回twitter文学賞発表会をご視聴いただき、御礼申し上げます。動画はyoutubeで、すべての投票結果も以下のurlでご覧いただけます。動画の終わりには過去10回を振り返るというおまけも付いているので、よろしければどうぞ。

https://twitter-bungaku-award.theblog.me/

豊崎由美さんからtwitter文学賞の構想を打ち明けられ、登壇者としての出演依頼を受けたのが正確にいつだったのかは覚えていない。また第1回の発表会は2011年3月11日の東日本大震災後だったと記憶していたのだが、事務局によれば2月だったとのことだ。自分の記憶は曖昧で当てにならない。また、それだけ時間が経って、自分が老いたということなのだと思う。第10回、第1期の終わりが退く頃合いだったのだ。

川口則弘さんが過去の投票結果をまとめてくださっている。これを見ると第1回、特に国内はエンターテインメント系作品への投票が目立つのだが、第2回からいわゆる純文学志向が強くなっている。もともとエンターテインメント系の紹介者として私は招かれたので、守備範囲ではない作品が多くなったことで勉強をしなければならなくなって冷汗をかいた。それは結果としてよかったように思う。読書の幅が明らかに広がったからだ。純文学系への傾倒は、第1回の結果を見た投票者が、自分が偏愛する作品、1票しか入らなくてもいいと思える尖ったものに入れてもいいのだということに気づいたからだと思っている。ジャンル云々ではなくて、作品本位で考えたからこそ、他のランキングでは名前の出ない作品が挙がるようになったのだろう。これは本当に楽しいことである。

すでに発表されたとおり、第1期で基本的に創設以来のメンバーは退くことになっている。事務局も含めて、である。第2期は書評家の若林踏氏が継続の任を担うことになった。集計をはじめとする事務作業もすべて担当者が退いたので、一から彼は体制を作り直さなければならないのである。その本当のたいへんさを、これから1年をかけて実感していくことになるだろう。よろしければみなさんのお力を貸してあげてください。

少しだけ裏話をすると、若林氏から第2期の担い手を引き受ける意志があると打ち明けられたのは昨年のことであった。たいへんだと思うのだが、本人がやるというならそれでいい。創設者である豊崎由美さんにその旨をお伝えし、最終的に3人で会って若林氏の意志確認をしたのは発表会の3日前、3月4日のことである。時間切れ間際にばた、ばたと事が決まり、賞の継続が決定した。どんなことも、だいたいはこんな風に決まるものだ。

twitter文学賞に関わった10年はあっという間であった。楽しい日々年であって、そこから退くことに後ろ髪を引かれる思いもある。しかし、どんなことにも終わりはあるものだ。twitter文学賞は豊崎さんが始めたものだから、創設メンバーは退くと決められたからにはそれに従うべきであろう。思えば豊崎さんが提供してくださった楽しみを享受した10年間であった。このあとは自分自身で何か楽しみを見つけ、世間に提供する番だろうと考えている。

発表会当日も書いたが、10年間お世話になりました。また、別の何かでいっしょに遊んでください。第2期twitter文学賞をよろしくお願いします。

あ、若林氏とやっている「ミステリちゃん」もよろしく。

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