杉江松恋不善閑居 自粛生活39日目「新刊と古本どちらが多いですか」

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5月16日

本に関するアンケート、昨日聞いたのは蔵書における新刊、古本、電子書籍の割合であった。投票数は420。

「蔵書はほぼ新刊購入で(除く電子書籍)、古本はない」47.1%

「蔵書のうち、たぶん半分は古本だと思う」37.1%

「蔵書はほぼ古書なので新刊はごく一部にすぎない」9.8%

「蔵書の大半は電子書籍で、紙の本は少ない」6%

聞いておいてなんだが、我ながらこれは無茶な質問だったような気がする。棚にある本の割合を正確に把握できている人なんてそんなにいないだろう。いないだろうとは思うのだが、この中でいえば私は二番目、新刊と古本が半々を選ぶのである。

購入する本は新刊が多く、古本はそんなに買っているわけではない。いや、古本屋には行くのだけど、買っても1冊か2冊である。なのでほとんどの本は新刊、ということになりそうなのだが、前にも書いたように読み終わった本は処分しなければならない棚の事情というものがある。手に入りやすいものから処分していくので、残るのは二度と巡り会えないような本ばかりということになる。ゆえに棚の比率も古本成分が上がっていくのである。半々、というのはそれほど見当違いではない気がする。いただいた中では、こまいぬさん「気になる読みたいというときに探し始めるので古書でしか変えなかったり、古本やさん自体も好きなので、ちょっとだけ古本の方が多いです。あと、古本で買ったものの方が再購入しにくいので、手放さない場合が多いです」のご回答が自分に近いと感じた。

失敗したな、と思ったのは「ほぼ新刊で古本はない」という項目は「古本は少ない」にしておけばよかったのである。この点、混乱させて申し訳ありませんでした。

購入はほぼ新刊、という方は理由も書いてくださった。やはり多かったのが「少しでもお金を回したい」という気持で新刊を購入するという方である。二宮きんちゃぬさんはおなかがいたい。さん「お金の動きはあまり分からないですが、少しでも著者や出版社の利益となるよう新刊を買います。古書を購入でも出版社に還元、というサービスもあるみたいですが。まぁ、状態がいいものをコレクションしたいという思いもあります」、Kumiko.T(古猫堂)さん「自分が印税をもらう立場になっていろいろ身につまされるので(笑)、お財布が許すかぎり新刊で、そしてなるべく紙の本を買うようにしています。でも古本屋さんの独特のにおいとか思わぬ出会いとかも大好きです」、黒太さん「微々たるものですが、作家さんにお金が渡るよう、手に入る物は新刊で買います(木戸銭ですね)。でも手に入らない物は古書で買います、市場に本を残す・回す・必要な人に届けるためには古本&古本屋も重要です。これはあの人向きだなという本は(価格・希少価値と無関係に)只で差し上げちゃいます」ほか、多数。

Schün Ngashさん「学生時代は知らなかった過去の作品をあさるのとお金がないのとで古本が3分の2以上。やがてリアルタイムで新作を買うようになったので新刊が増えはじめて、今は半々くらいでしょうか」のこの回答もよくわかる。自分よりも前の歴史に追いつこうとすると、最初はどうしても古本を漁らなければならなかったのだ。また欲しい本と収入のつり合いがとれていなくて、新刊があまり買えなかったということもある。今では新古書店で本を買うのは当たり前の行為になったが、30年前にはそんなことなかったのである。

sunbutaさん「子供が小さい頃は金銭面で新刊で沢山買い与えることが出来ずに、古本屋に行って好きな本買っていいよ〜ってやるついでに自分も古本買ってましたが、子供が大きくなってから自分で本を買うようになり、その頃から古本屋に行かなくなりました。アクセスの問題も有りますが。通勤経路に無いので」の回答にもなごむ思いがした。お子さんと一緒に古本屋というのはいいなあ。私が父親によく連れて行ってもらっていたのは、今は亡き府中駅前の木内書店であった。買ってもらった中でいちばん記憶に残っているのは赤塚不二夫先生『狂犬トロツキー』である。表紙なしだけどしばらく大事に持っていた。そして赤塚不二夫信者になったのである。

古本率ゼロという回答でもう少し多いかと思っていたのが、Jun Sakamoto 坂本淳さん「古本はカビやダニ、煙草の匂いなんかで体調が悪くなることがあるのでなるべく避けています。電子レンジでチンすれば回避できるという話も聞いたことはありますが…」のような例である。あの独特の匂いが、と好きな人は言うが、それが体調に合わない方もいらっしゃるはずなのだ。私も古本屋の匂いを嗅ぐとつい入ってしまうので、あれは何か体に悪い中毒成分があるのかもしれない。

電子書籍派のご意見も少し。完全に紙の本は買わない、というご回答は無かった。Taka@Stay Home,Stay Safeさん「電子書籍化まで2ヶ月待って、それでも読みたいものは紙で買います。後は電子化されていない古い書籍は古本で手に入れます。最近だと再読用に「殺し屋ケラー」シリーズを古本で買いました」、浮雲亭さん「本当は電子版を七割くらいまで増やしたいけど、何故か新刊より少し発売が遅いことがあるため、我慢出来ないで紙媒体を買ってしまいます。反面に最近、文庫を買わなくなったかなぁ」。電子版の販売されるタイミングが早くなったり、旧い本の収録が進んだりすると、このへんの回答率も変わってくるのかな。

自粛生活39日目。

昨日告知したとおり、午後1時から第11回翻訳ミステリー大賞開票実況であった。1時間くらいで収まるかと思ったが、練習なしのぶっつけ本番で読んだため少し超過して70分の配信となった。ご覧いただいた方、ありがとうございました。

配信の中でも言ったのだが、ここに至るまでは本当に紆余曲折があって、一時はサイトで結果発表だけやろうということになっていたのである。イベント開催をお願いしていた下北沢B&Bさんは4月から現在の新店舗に移ったばかりで、無観客で収録だけをやろうにもどの程度関係者同士の接触を避けてできるかがわからない。それでは感染リスクをゼロにできないだろうということで、ごめんなさいして諦めたのであった。読み上げだけをなんとか拙宅から中継するということで、開票自体が見られないという事態だけは回避できた。無理を聞いてくれた事務局諸氏に感謝するばかりである。

実際のイベントではああもしようこうもしようという意見がいろいろ出ていたのだが、今年はお預けになった。また来年、第12回の翻訳ミステリー大賞で実現できることを祈っている。また来年お会いしましょう。

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