街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年1月・武蔵小山「九曜書房」、九品仏「木鶏堂書店」、祐天寺「北上書房」ほか

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気が付けば尾山台駅にいたのである。

某月某日

不意に思いついて武蔵小山の九曜書房に行くことにした。定点観測という名の現実逃避である。よいではないか、よいではないか。いや、よくはないのだが。

電車に乗って行く道すがら、古本屋ツアー・イン・ジャパンのサイト内で武蔵小山を検索してみると、以前は九曜書房以外にもいろいろなお店があったことを思い出させられる。恵比寿に移転してさらに閉店したトップ書房の他にも、一昨年閉店したブックカフェのHEIMAT CAFEなどの名前が上がってくる。なんとロハス系雑貨店で古本を扱っていたという記事も。

それに刺激されてなんとなくネットを検索してみる。すると、東急大井町駅で思いがけない発見が。いつの間にかドット本という店が尾山台駅にできていたのである。なんだそれ、聞いたことないぞ。本当に古本屋なのだろうか。

新情報のために気もそぞろになりながら武蔵小山駅に到着する。まずはそのロハス系雑貨店の住所に行ってみるが、該当するような店は見当たらなかった。だいぶ前の話だし、閉店してしまったのではないだろうか。仕方ない、と気持ちを切り替えて九曜書房へ。

少し離れたところから店頭の均一棚が道に出ているのを発見する。ああ、やっているんだな、と嬉しくなる瞬間だ。そこも丹念に見てから店内へ。入口すぐ右の500円均一棚がまた入れ替わっていて新しい本があり、楽しい。逍遥する中で探求書を発見してしまったのだが、予算が折り合わず、この日は見送ることにする。馬鹿高い値付けというわけではない。

安心と信頼の九曜書房。

さてどうしようと迷っていたが、いつの間にか東急大井町線に乗っていた。ああ、尾山台駅に向かっているのだな、とわかる。足が自動で前に進んでいる。

東急大井町線は昨年虱潰しに古本屋をまわったのである。潰れている店も確認し、もうこの沿線に知らないところはない、と確信していた。等々力通りを歩いて、知らない店がないことを確認しもした。そこまでしたのに、まだ新しい店が見つかる。これはどういうことなのか。

以前から言っていることだが、古本の神様は意地悪で、誰かがそのエリアをコンプリートすると、まだまだじゃ、と新しい店をお作りになる。観察者自身が事象に影響を与えるのである。だから今まわり切りそうになっている静岡県も、私が最後の一つに到達した途端、どこかにぴょこんと新しい店ができる可能性がある。そうだ、ドット本も、私のために創り出された店である可能性がある。

そんなことを思いながら尾山台駅に到着する。グーグルマップによると、等々力通りに面した北側ではなく南側に店はあるという。半信半疑で向かってみると、徒歩一分の駅近に、あった。

あった。が、閉まっていた。そして店名がドット本ではなく桜書店になっている。変更したのだろうか。貼り紙があって、水曜日定休と書いてある。間が悪いことに、定休日に来てしまったのだ。これは仕方ない。出直そう。

ここまで坊主なので、等々力通りを東に歩き、隣の九品仏駅で木鶏堂書店に寄ることにした。駅前の角地にあるお店は、小さいながらいつも何かしらの発見がある楽しいところだ。この日も雑学系の本に心を惹かれて新しいジャンルのものを買いそうになったが、いやいや無駄に膨らませてはいかん、と心を引き締めてカトリーヌ・アルレーを二冊買う。そういえば前回来たときもアルレーを買ったような気がする。多分ここに来るたびにアルレーを買う運命なのだ。そして高確率でダブる。

案の定二冊ともダブりだった。

等々力通りをさらに歩いていくと、自由が丘駅の南で曲がる東横線を越えることになる。その手前に世田谷美術館の分館があることを初めて知った。やがて奥沢駅に到達。駅の南側にあるはずの二店を一応見ておくことにする。

一店はPINNANCE BOOKSで、相性が悪いのかここ半年ばかりいつ行っても開いているのを見たことがない。店主のTwitterを見るとなんだか心配になるようなことばかり書いてあるので、定期的に訪問したくなるのだが。坂を下り、ゲートをくぐった先に店はある。この日は、開いていた。ただしシャッターが三分の一だけ下ろされ、CLOSEDの札が。中を見ると、店主が作業中のようだった。ううむ、なかなか入れない。一応健在ということで安心したので機会を改めることにする。もう一店のふづき書店はシャッターが固く閉ざされたままである。もしかすると、もう営業していないのだろうか。

不首尾に終わった奥沢であったが、まあ、やむをえない。なんとなく歩き足りない感じだったので、東横線はだいぶ改装で様変わりした祐天寺駅に降り立つ。田舎の駅みたいでたこ焼きなんか売っていたところなのに、今はスターバックスなんかできている。そこから中目黒方面に向かう線路際に北上書房。一見均一価格かと思うがそうではない店頭棚に某書が3500円という高額で差してあるのを再確認し、店内へ。ぐるっと回ったら古本養分のゲージがフルになった気がしたので、帰ることにする。そのあとで結局、中目黒杉野書店とデッサンにも寄ったのだが。

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