古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年2月・尾山台「桜書店」

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最初に来たときはこのとおり閉まっていた。

某月某日

一日自宅で原稿書き、のはずの予定だったが、なんだか落ち着かない。

あれをやってやめ、これを手に取って置き、ということを繰り返して、どうにも効率が悪いので、ちょっと作業を止めて考えてみることにした。

なにゆえ仕事が手に着かないのか。年をとって集中力が落ちているのはやむをえないとして、単純労働まで進まないのはなぜか。

五分ほど黙考したら、あっさりと答えがでた。放置していることがあるからだ。

仕事場は一階なので、上に声をかけて外出する。

そうだった。尾山台である。新しい古本屋を発見したのに、定休日で中に入れなかった。そのせいで仕事どころではなくなっているのだ。

東急大井町線で数日前にやってきた尾山台へ。駅の南口を出てすぐのところに、その古本屋はやはりあった。営業している。

桜書店は一階に複数の店舗が入っているビルの角にあった。ビルのせり出しから柱が出ていて、その下が店舗前のスペースになっている。そこに、衣装ボックスなどを使って古本を出しているのである。ボックスの中は新書や文庫だ。昔の煙草屋みたいになっているのが帳場で、その両脇に棚がある。右は文庫棚で、左はCDやDVDである。帳場の下には200円均一の時代小説文庫。ビルを周り込んだところにも二列の棚があって、ここは四六判が主になっていた。スピリチュアル系の本が多いような気がする。

吉川潮の廣澤虎造評伝が文庫であったので、とりあえずそれを買うことにする。150円だから安い。帳場の横にドアがあったので開けてみたが、売り場ではなかった。事務所なのだそうである。ということは桜書店の売り場は店の外だけなのか。これはおもしろい形態だ。

お金を支払いながら、元へ編集者でもやっていたのかと思わせる佇まいの店主にちょっとだけ話を聞いた。店を始めたのは三年前で、やはり以前はドット本という名前だったそうである。買い取りを精力的にやっているそうなので、営業としてはそっちが主なのだろう。赤羽の紅谷書店みたいな感じか。こういう営業形態ゆえ、荒天には弱く、雨が降るとすぐ店を閉めてしまう、とも言っていた。

150円の買い物だがレシートも出してくれて、またご利用くださいね、と気持ちよく送り出される。それほど珍しい本があるわけではないが、等々力通り歩きの際にはぜひ立ち寄らせてもらおう。

気が済んだのでダッシュで帰り、仕事をした。

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